弊社にアプローチをいただくお客様の中に、採用や配属のミスマッチ解消という課題を持っておられる方が散見されます。
せっかくコストをかけて採用し、期待をかけて配属した人材が、十分なパフォーマンスを発揮する前に退職してしまったり、心を患い戦線離脱してしまっては、経営上大きな痛手と言わざるを得ません。
コロナ以前も以後も、採用の質や効率の改善は人事・採用担当者様とっては大きな課題だと思います。

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私たちは、そんな採用・配属ミスマッチを減らすために必要な要素が2つあると考えています。
- 採用する人物の能力や性格をよく知ること
- 配属する仕事の内容や要求事項、職場の雰囲気など、いわゆるジョブディスクリプション+αを明確にすること
弊社がご紹介しているVRアセスメント製品『ASSENSE™』は、上の1番に対するソリューションです。
候補者の職場適正や活躍度合いを推し量るために、認知能力や性格特性、仕事のやり方など心理学に基づく最大26項目の指標を提供します。
また、心理学的アプローチに加えて、VR(バーチャルリアリティ)とAIにより、VR内に作られたゲームを実施している間の行動を評価するという画期的な手法です。
ゲームを実施している間の行動の特性を評価するという点が、如何に画期的であるかは、ぜひ、一度デモをご体験いただき実感していただきたいところです。
本記事後半では、2番目の課題である、ジョブディスクリプション+αを明確にするために必要ではないかと考えられる「デザイン思考」について触れたいと思います。
ミスマッチ削減のカギになるジョブディスクリプション+αを明確にするためのフレームワーク「デザイン思考」
世の中で提唱されている「デザイン思考」について改めて調べてみました。
デザイン思考とは・・・
- デザイン思考はビジネスや社会の抱える課題を解決するデザインのキャンバスを広げるものだということ。(出典:「デザイン思考が世界を変える(アップデート版)ーイノベーションを導く新しい考え方」、ティム・ブラウン著、早川書房、2019)
- デザイン思考とは、人々が持つ本当の問題を解決するための考え方(マインドセット)である。ではなぜいま、デザイン思考が注目を集めているのでしょうか。それは「人」こそがサービスや製品、あるいはシステムのあり方・つくり方に影響を与える、非常に重要な要素となってきたから。(出典:「実践 世界一クリエイティブな問題解決 スタンフォード式デザイン思考」、ジャスパー・ウ著、インプレス社、2019)
このように、「デザイン思考」というフレームワークは、イノベーションを指向する製品開発やマーケティング、デザイン領域で主に使われている考え方です。
ターゲットとなる見込み客が抱えている問題点を明らかにして、そのための施策を導出するためのフレームワークと言えるでしょう。

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この「デザイン思考」フレームワークを、配属先の業務ニーズや要求事項の可視化にも適用するとどうなるでしょう。
- その業務はどんな課題を抱えているのか?
- その課題が生まれている背景は?
- その業務を行う理想的な人物像は?
「デザイン思考」フレームワークにより、様々な業務の洗い出しがスムーズにでき、かつ、具体的な業務を行う人物像を明確にすることが大いに期待できるのではないでしょうか?
これまで多くのお客様からジョブディスクリプションの定義が難しいとの意見を伺っておりますが、「デザイン思考」のフレームワークが突破口になるかもしれません。
具体的なデザイン思考の使い方の詳細については、「デザイン思考」というタイトルの入った書籍をご参照ください。
「デザイン思考」フレームワークに取り組むこと自体は、さほど難しくはないと思いますが、人事領域への適用においてご質問・ご意見があれば、是非お寄せいただければと思います。
データドリブンな採用や配置が、配属ミスマッチの解消に役立ちます
デザイン思考などを使ってジョブディスクリプションが明確になり、VRアセスメント製品『ASSENSE™』により採用候補者や配属候補者の特性データが手元にある。
このような状態になれば、「敵を知り己を知れば百戦危うからず」の言葉にあるように、ミスマッチの発生度合いを減らすことが可能になります。また、ミスマッチ削減に大事なのは、配属した後の業務と社員の観測をやめてしまうのではなく、継続的にパフォーマンスをモニタリングすることです。
また、今後はリモートワークが増えていくとは思いますが、前後プロセスや同僚の個人特性とのかけ合わせなどもモニタリングすると、新たな知見が得られることが期待できます。
特に、観測対象を個人とその業務に絞り込むのではなく、チームや組織などに広げることができれば、チーム内での影響力やいわゆる相性なども踏まえたパフォーマンス予想(逆に言えば、ミスマッチ予測)も不可能ではないと考えています。
まとめ
- 採用・配属ミスマッチを削減するためには、2つの情報を明確化する必要がある。
- 採用する人物の能力や性格をよく知ること(VRアセスメント『ASSENSE™』で対応)
- 配属する仕事の内容や要求事項、職場の雰囲気など、いわゆるジョブディスクリプション+αを明確にすること(「デザイン思考」フレームワークで対応)
- ミスマッチ解消ロジックは、各企業・職場ごとに構築するしかないので、配属した職場周辺まで範囲を広げ、継続的にモニタリングするのが得策

